【山岳トンネルの遠隔施工技術】コンクリート吹付け機の遠隔操作システム

【山岳トンネルの遠隔施工技術】コンクリート吹付け機の遠隔操作システム

一 トンネル坑内におけるコンクリート吹付け作業を無線で遠隔化 ―

エフティーエス株式会社<社長 木村浩之>と清水建設株式会社<社長 井上和幸>、戸田建設株式会社<社長 大谷清介>、西松建設株式会社<社長 髙瀨伸利>、前田建設工業株式会社<社長 前田操治>は共同で、山岳トンネルにおける「コンクリート吹付け機遠隔操作システム(ヘラクレス-Remote)」を開発した。

厚生労働省より発令された「山岳トンネル工事の切羽における肌落ち災害防止に係るガイドライン(平成30年改正)」および「ずい道等建設工事における粉塵対策に関するガイドライン(令和2年改正)」において、切羽作業の安全性や粉塵作業に対する環境改善を目的に、遠隔操作技術の導入を検討することが求められている。

エフティ―エス(株)ら共同開発チームは、西松建設株式会社が保有する遠隔操作技術を活用し、切羽から離れた遠隔操作室より、無線にてコンクリート吹付け作業が可能な遠隔操作システムを開発し、現場実証試験を実施した。

システム構成

今回開発したシステムは、①遠隔操作室、②映像・制御信号伝送システム、③機体制御システムで構成されている。

①遠隔操作室

遠隔操作室内には、操作レバーおよびフットペダルを配置した操作コクピットが設置されており、吹付け機の前後・側方、吹付けノズルブーム、コンクリートポンプに搭載したカメラ映像や機体動作情報の表示モニタを見ながら遠隔操作を行う。粉塵や熱中症に対する作業環境改善を目的に、遠隔操作室内は除塵や温度調整が可能な空調設備を備えている。また、遠隔で通信できるため出来形管理においても生産性向上が図れる。

②映像・制御信号伝送システム

坑内設備の電源台車に基地局を設置し、基地局と吹付け機本体の間には吹付け機本体からの映像・機体動作情報信号や遠隔操作室からの操作信号を高速無線LAN、小電力無線やWi-Fiにより無線伝送させるシステムを構築した。また、基地局と遠隔操作室の間は光ファイバーケーブル等の有線で接続されており、この通信ケーブルを延長させることにより遠隔操作室を坑内だけでなく坑外(遠隔地)に設置することも可能となっている。

③機体制御システム

遠隔操作室からの操作信号により、エンジン始動、走行・停止、アウトリガー昇降、油圧ポンプ・コンプレッサー・バイパスエアー起動、急結材圧送、コンクリート圧送開始および吹付け作業といった通常施工と同様の作業を遠隔制御可能とするための操作制御盤や、機体カメラの映像信号等を機体から基地局に無線伝送させるための映像制御盤等で構成されている。

遠隔操作室の外観

実証試験は西松建設JV施工の九州地方整備局発注「福岡201号筑穂トンネル新設工事」で行なった。坑内に設置した遠隔操作室内より、機体走行から切羽へのセットといった一連の準備作業とともに吹付け作業を無線操作で実施し、システム導入による安全性向上と作業環境向上などの有効性を実証した。

今後は、ガイダンス機能の充実やノズル自動制御などの機能高度化により、更なる生産性向上や品質向上を図るとともに、切羽作業を低減する全自動化への取り組みも推進する計画である。

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