いちご栽培で適正なpHやEC値ってあるの?
pH(酸性度) は 成育環境
EC は 肥料濃度
を知る指標として見られます。
ですので、土壌や固形培地・養液のpHやECを把握することは、いちごの品質管理や安定供給の面で役立ちます。
ハンナは測定器のメーカーですが、いちごを含め作物のpHやECに適正値ってあるの?と聞かれることはあります。
しかし「これが適正値です!」と言うのはなかなか難しいです。やはり周辺環境や培地、施肥量、品種などによって条件が異なるためです。とはいえ、目安であったり推奨として言われていることもあります。
土壌のpHは5.5~6.5が良い?
いちご栽培において土壌のpHは5.5~6.5ぐらいが適していると言われます。
なぜ、5.5~6.5pHぐらいが適しているの?
土壌のpHは生育環境の指標となるわけですが、栄養素を吸収しやすい環境として5.5~6.5pHぐらいが良いというわけです。
作物の生育に必要な栄養素には、作物体内に
・約0.1%以上存在する多量要素
・0.01%以下の微量要素
があります。
多量要素には窒素、リン酸、カリウム、カルシウム、マグネシウム、硫黄などがあり、微量要素にはマンガン、鉄、銅、ほう素、亜鉛、モリブデンなどがあります。
いずれも作物の生育には必要不可欠な栄養素です。
しかし、これらの栄養素は土壌のpHによって溶解度(溶けやすさ)が変化します。
多くはpHが高くなる(中性からアルカリ性側)とその溶解度が低下し、作物の栄養不足を引き起こす原因となります。
中でも微量要素は弱酸性で溶解度が高くなります。そのため、土壌のpHは5.5~6.5ぐらいが良いと言われます。
以下は、主な栄養素におけるpHと溶解度の大きさを示したものです。
ちなみに、ハンナのお客様でも年々、それぞれの栄養素を調べたい方が増えていると感じています。
ご興味ある方は、この後ご紹介する「栄養素の成分分析器」をご覧ください。
水耕栽培の液肥のECは・・・
養液土耕や水耕栽培などの高設栽培において、ECの適正値を一概には言うことは難しいです。
生育段階に応じて0.5~1.2ぐらいという数値を目にすることもありますが、実際には液肥タンクの量、給液と排液のECの差、成育状況などその時の状況/条件によってEC管理も異なります。